Vol.52 No.5 May 2004
短報
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対するteicoplaninと各種抗菌薬のin vitro併用効果
久留米大学医学部第一内科*
要旨
久留米大学付属病院で分離された50株のMRSA株を用いてteicoplanin(TEIC)とmeropenem(MEPM),panipenem/betamipron(PAPM/BP),biapenem(BIPM),cefozopran(CZOP),cefepime(CFPM),sulbactam/ampicillin(SBT/ABPC),ciprofloxacin(CPFX),pazufloxacin(PZFX)との併用効果についてチェッカーボード法で比較検討した。最小FIC index値の平均値はTEICとMEPMで0.293であり,一番強い併用効果を示した。また,TEIC単独でのMIC90値は2 μg/mLであったが,MEPMを併用することで0.25 μg/mL以下に減少することを確認した。今回の結果より,TIECとカルバペネム系薬,特にMEPMの併用によりTEICの治療効果が高められるとこが示唆された。
Key word
MRSA, teicoplanin, β-lactam antibiotics, synergistic effect, checkerboard method, vancomycin(VCM)
別刷請求先
*福岡県久留米市旭町67
受付日
平成16年2月25日
受理日
平成16年4月22日
日化療会誌 52 (5): 270-272, 2004