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書誌情報

Vol.53 No.11 November 2005

臨床試験

Teicoplaninの腎機能障害患者における市販後臨床試験成績―有効性および安全性に関する検討―

長谷川 廣文1), 青木 信樹2)

1)近畿大学医学部附属病院人工透析部
2)信楽園病院内科

要旨

 腎機能障害を有するMRSA感染症患者でのteicoplanin(TEIC)の有効性と安全性の検討ならびに現在推奨されている「腎機能障害の程度別の投与方法」の妥当性を検討した。
 23例で検討し,判定不能の3例を除いた安全率は80.0%(16/20例)であった。有効率は,さらに判定不能の2例を除き72.2%(13/18例)であり,投与量別には400 mg群が90.9%(10/11例),200 mg群が3/7例であった。また,有効性の目安となる血中濃度トラフ値は,透析患者またはCcr≦10の患者群で,9日目では他の群に比べて大きく低下していた。
 Ccr>10の患者群でのTEICの投与間隔は妥当であり,また1回投与量は400 mgが望ましいと思われた。透析患者またはCcr≦10の患者群では,投与間隔の再検討が必要と考えられた。

Key word

teicoplanin, renal dysfunction, dialysis, serum concentration, safety

別刷請求先

大阪府大阪狭山市大野東377-2

受付日

平成17年9月12日

受理日

平成17年10月19日

日化療会誌 53 (11): 686-695, 2005