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書誌情報

Vol.53 No.11 November 2005

症例報告

Pazufloxacinが奏効したレジオネラ肺炎の1症例

板橋 繁

みやぎ県南中核病院呼吸器科

要旨

 レジオネラ肺炎は進行が急速なため,早期に適切な抗菌薬の選択が必要である。今回,レジオネラ肺炎患者に対して,注射用ニューキノロン系薬のメシル酸パズフロキサシン(PZFX)を1回500 mg,1日2回,7日間単独投与して奏効した例を経験した。喀痰培養でLegionella pneumophila group 1が検出され,PZFXのMICは0.015 μg/mLと良好であった。レジオネラ肺炎は時に重症化するため,その第一選択薬は注射薬であり,わが国においてレジオネラ菌への適応を取得している抗菌薬は,注射薬ではPZFXとミノサイクリンのみである。PZFXはレジオネラ属に対する抗菌力も良好で,喀痰や肺組織への移行も優れているため,レジオネラ肺炎の治療に有用である。

Key word

pazufloxacin, Legionella pneumophila, MIC, quinolone, pneumonia

別刷請求先

宮城県柴田郡大河原町字西38-1

受付日

平成17年6月14日

受理日

平成17年9月29日

日化療会誌 53 (11): 696-700, 2005