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書誌情報

Vol.54 No.6 November 2006

原著・臨床

小児A群溶血連鎖球菌感染症に対するcefcapene pivoxil7日間投与の多施設共同研究

坂田 宏

旭川厚生病院小児科

要旨

 2005年7月から9月に,A群溶血連鎖球菌(GAS)感染症の6カ月から15歳まで(平均5.2±2.4歳)の小児に対してcefcapene pivoxil(CFPN-PI)を原則的に3 mg/kgを1日3回7日間投与し,臨床効果,除菌率,再燃の有無を検討した。分離された129株のT血清型は12型が52株(40.3%)と最も多く,次いで4型の35株(27.1%),1型が12株(9.3%)であった。3名が服薬困難,14名が再受診しなかったため112名で臨床効果および細菌学的効果を判定した。全員臨床所見の改善を認めたが,6名(5.4%)で投与終了時にGASが検出された。6名のうち5名では検出されたT血清型とPFGEパターンは一致していた。合併症と再燃の有無を観察した108名中,合併症を発症した児はなかったが,7名(6.5%)で再燃が確認された。投与終了後1~11日に発症しており,投与終了時にGASが残存していた児が4名であった。1名ではT血清型もPFGEパターンも異なっていた。
 4名(3.3%)に副作用が認められ,3名が下痢・軟便,1名が嘔吐であったが,重篤な症状ではなかった。

Key word

Streptococcus pyogenes, cefcapene pivoxil, pharyngitis

別刷請求先

北海道旭川市1条通24丁目

受付日

平成18年5月22日

受理日

平成18年10月2日

日化療会誌 54 (6): 526-530, 2006