Vol.55 No.6 November 2007
原著・基礎
血液由来Pseudomonas aeruginosaに対する薬剤感受性に基づくカルバペネム系抗菌薬投与法の評価
東京大学医学部附属病院感染制御部*
要旨
2000年から2004年の5年間に血液培養から分離したPseudomonas aeruginosa 67株を対象に各種抗菌薬の最小発育阻止濃度(MIC)を測定し,カルバペネム系抗菌薬の最適投与方法をMonte Carlo Simulation(MCS)法により検討した。meropenem(MEPM),biapenem(BIPM)のMIC90は16 μg/mL,imipenem/cilastatin(IPM/CS)は32 μg/mL,panipenem(PAPM)は64 μg/mLであった。最も低いMIC90はciprofloxacin(CPFX)の2 μg/mLであった。
Class B β-lactamase産生株は1株(1.5%),多剤耐性緑膿菌は3株(4.5%)であった。MCSの結果より,MEPM 0.5 g×3/日の投与がTime above MIC 50%における最も高い達成確率を示した。この結果より,MEPM 0.5 g×3/日の投与は高い臨床効果が期待できると思われる。
Key word
blood culture, pharmacokinetic/pharmacodynamic, carbapenem, Pseudomonas aeruginosa
別刷請求先
*東京都文京区本郷7-3-1
受付日
平成19年2月15日
受理日
平成19年8月6日
日化療会誌 55 (6): 435-440, 2007