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書誌情報

Vol.56 No.S-1 April 2008

原著・臨床

有熱性の複雑性腎盂腎炎を対象としたsitafloxacinの一般臨床試験

河田 幸道1), 石原 哲2), 松井 隆3), 津川 昌也4), 松本 哲朗5)

1)岐阜大学医学部
2)木沢記念病院泌尿器科
3)神戸赤十字病院泌尿器科
4)岡山市立市民病院泌尿器科
5)産業医科大学泌尿器科

要旨

 経口ニューキノロン系抗菌薬であるsitafloxacin(STFX)の38℃以上の発熱を伴う複雑性腎盂腎炎に対する有効性および安全性を検討した。STFXの用法・用量は1回100 mg 1日2回7日間投与とし,臨床効果はUTI薬効評価基準(第3版)に準拠して投与開始3日後,7日後,14日後に判定した。
 7日後の総合臨床効果における有効率は100%(20/20)であった。3日後および14日後の総合臨床効果における有効率はそれぞれ,100%(20/20),64.3%(9/14)であった。
 7日後の細菌学的効果は,評価対象患者20例から分離された36株すべてが消失し,原因菌の消失率は100%(36/36)であった。
 副作用発現率は45.5%(10/22)であり,主な副作用は下痢,アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加であった。副作用の重症度はいずれも軽度であった。
 以上の成績より,STFXは有熱性の複雑性腎盂腎炎の治療に有用な薬剤であると考えられた。

Key word

sitafloxacin, febrile complicated pyelonephritis, clinical trial

別刷請求先

岐阜県岐阜市柳戸1-1

受付日

平成19年11月2日

受理日

平成19年12月18日

日化療会誌 56 (S-1): 103-109, 2008