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書誌情報

Vol.56 No.4 July 2008

症例報告

TeicoplaninのTDMが有用であったCorynebacterium jeikeiumによる感染性心内膜炎の1例

継田 雅美1), 塚田 弘樹2)

1)新津医療センター病院薬剤局
2)新潟市民病院呼吸器科・感染症科

要旨

 大動脈弁置換術後にCorynebacterium jeikeiumによる細菌性心内膜炎を発症した症例に対し,薬剤感受性結果よりteicoplanin(TEIC)を投与した。血中トラフ濃度を測定し,TEIC解析ソフトにて解析し投与量を調節した。開始時に3回ローディングを行ったが3日目トラフ値が低値であったため4日目に再ローディングを行った。トラフ値は17 μg/mLとなり目標値に達したがCRPの上昇と発熱が認められたため目標値を変更しながら再ローディングを繰り返し,最終的に23~24 μg/mLに調節した。約7週間の投与でベジテーションは消失し,副作用の発現はみられなかった。自己弁感染例に比べ,人工弁置換術後の感染性心内膜炎は予後不良例が多く,TDMにより効果的にTEICを投与できた例と考える。

Key word

infectious endocarditis, teicoplanin, therapeutic drug monitoring, Corynebacterium jeikeium

別刷請求先

新潟県新潟市秋葉区古田610

受付日

平成20年1月16日

受理日

平成20年5月1日

日化療会誌 56 (4): 475-478, 2008