Vol.57 No.2 March 2009
原著・臨床
小児の肺炎に対するclavulanate acid/amoxicillin(1:14製剤)の臨床効果
旭川厚生病院小児科*
要旨
2008年1月から10月までに旭川厚生病院小児科外来を受診し,胸部X線にて浸潤性陰影を認め担当医が肺炎と診断した児のなかで,血液検査でCRP 2.0 mg/dL以上を示した58名の生後6カ月から3歳までの小児において,clavulanate acid/amoxicillin(1:14製剤)を投与して,臨床効果を評価した。投与量は原則的にAMPCとして90 mg/kg/回を1日2回に分けて食前投与した。治療開始日に3~5日間処方し,内服終了時に再診して臨床効果を評価した。保護者の希望で投与3日以内に入院した例が7名おり,これらは臨床効果評価不能例とし,副作用について評価を行った。臨床効果では51名中50名(98.0%)が3日以内に主要症状は改善され,有効と判定された。無効であった1名はampicillinに対するMICが12 μg/mLになるHaemophilus influenzaeが検出されていた。副作用として,下痢・軟便が26名(44.8%),発疹が1名(1.7%)に認められた。
Key word
pneumonia, clavulanate acid/amoxicillin, Haemophilus influenzae, Streptococcus pneumoniae, child
別刷請求先
*北海道旭川市1条通24
受付日
平成20年10月31日
受理日
平成21年1月29日
日化療会誌 57 (2): 101-105, 2009