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書誌情報

Vol.58 No.5 September 2010

原著・臨床

小児期の任意接種ワクチンに対する保護者の意識調査

小野 真1), 沼崎 啓2)

1)国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科創薬育薬医療領域
2)同 医療福祉学研究科国際感染症学領域

要旨

 未就学児をもつ保護者を対象に小児期の任意接種ワクチンに対する意識調査を行った。
 アンケート用紙配布数は1,366通(幼稚園996通,保育園370通)であり,回収数980通(幼稚園741通,保育園239通),回収率は71.7%(幼稚園74.4%,保育園64.6%)であった。Hibワクチンを除き,任意接種ワクチンである水痘ワクチン,ムンプスワクチンおよびインフルエンザワクチンの認知度は98%以上であった。保護者の職業により,Hibワクチンの認知度に差があった。世帯総収入により,ワクチンの接種率に差があった。ワクチンの接種理由の多くは「病気にかかるのが怖い」であった。水痘ワクチンやムンプスワクチンを接種しない理由として,「免疫をきちんとつけるには病気になったほうが良い」などワクチン接種の意義を正しく理解できていないケースが見受けられた。また,「子供の体調と接種する時期が合わなかった」および「接種前に罹患」が多く,接種時期が遅れることにより接種前に罹患するという状況が確認された。
 上記のことから,保護者に対してワクチンの接種について教育すること,および接種費用について公費助成すること,新たな混合ワクチンを導入することが任意接種ワクチンの接種率向上の一助となることが示唆された。

Key word

questionnaire, vaccination, child, guardian

別刷請求先

東京都港区南青山1-3-3

受付日

平成22年3月1日

受理日

平成22年6月28日

日化療会誌 58 (5): 555-559, 2010