Vol.59 No.1 January 2011
市販後調査報告
多剤耐性Pseudomonas aeruginosaに対する併用薬スクリーニングのためのブレイクポイント・チェッカーボード法の有用性
1)滋賀県立成人病センター臨床検査部*
2)ファルコバイオシステムズ総合研究所検査三課
3)社会保険滋賀病院検査部
4)大津赤十字病院検査部
5)神戸大学医学部附属病院検査部
要旨
ブレイクポイント・チェッカーボード法を用いた多剤耐性Pseudomonas aeruginosaの併用効果の有用性について検討を行った。2000年10月から2007年4月にかけて,近畿地区の医療施設において収集された多剤耐性P. aeruginosa 54株について,BCプレート‘栄研’®(栄研化学)を用いて単剤による抗菌薬のMICの測定(測定範囲は2濃度)と2薬剤を用いた相乗効果の有無を確認した。単剤のMICがBC法では測定濃度以下である場合やスキップ現象の出現により併用効果の判定ができなかった場合は今回の解析対象から除外した。相乗効果が多く認められた薬剤の組み合せはcolistinとrifampicinの32株,次いでamikacinとaztreonamの31株,colistinとaztreonamの29株であった。本法は一度に多くの薬剤の併用効果を予測できることから,併用効果のスクリーニング法として有用であると考えられた。
Key word
multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa, synergy, breakpoint, checkerboard titration method
別刷請求先
*滋賀県守山市守山5-4-30
受付日
平成22年3月12日
受理日
平成22年9月8日
日化療会誌 59 (1): 29-33, 2011