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書誌情報

Vol.67 No.1 January 2019

市販後調査報告

ガレノキサシンの使用成績調査および特定使用成績調査による安全性および有効性の検討―併合解析による高齢者の安全性および有効性を中心に―

高木 宏育1), 松本 喜彦2), 堀 誠治3), 渡辺 彰4), 河野 茂5)

1)富山化学工業株式会社クリニカルサイエンス部(富山)
2)同 クリニカルサイエンス部
3)東京慈恵会医科大学感染制御科
4)東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門
5)長崎大学,長崎大学医学部第二内科

要旨

 ガレノキサシン(GRNX)の再審査期間に実施した使用成績調査および3つの特定使用成績調査で得られた結果を併合解析し,特に高齢者での安全性および有効性について検討した。
 65歳以上の高齢者での副作用発現率は4.75%(130/2,739例)で,副作用発現率に影響を及ぼす患者背景は,入院・外来,感染症診断名,投与前の肝機能障害の有無,投与前の腎機能障害の有無,アレルギー歴(薬剤),GRNX投与直前の抗菌薬治療の有無,および併用抗菌薬の有無であったが,いずれの患者背景でも特段に発現頻度が高い副作用はなかった。高齢者での副作用の種類および発現率は非高齢者と比べて大きな相違はなかった。
 高齢者の投与終了・中止時の有効率は93.9%(2,345/2,498例)で,いずれの呼吸器および耳鼻咽喉科領域感染症に対しても90%以上であった。また,肺炎治療において成人肺炎診療ガイドライン2017で,GRNXが推奨されている基礎疾患・合併症として慢性呼吸器疾患を有する患者および誤嚥のリスク因子を有する患者に対する有効率は,それぞれ90.5%(363/401例)および90.1%(173/192例)であった。
 以上,GRNXはレスピラトリーキノロンとして,呼吸器および耳鼻咽喉科領域感染症の治療において,高齢者に対しても有用性の高い薬剤であることを確認できた。

Key word

garenoxacin, postmarketing surveillance study, elder patients, safety, efficacy

別刷請求先

東京都港区西麻布2-26-30 (現:富士フイルム富山化学株式会社)

受付日

2017年12月25日

受理日

2018年7月13日

日化療会誌 67 (1): 57-75, 2019