Vol.67 No.6 November 2019
総説
AST活動における看護師の役割
北里大学東病院感染管理室*
要旨
近年,多剤耐性アシネトバクター属菌や,カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す腸内細菌科細菌(Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)など,新たな薬剤耐性(antimicrobial resistance:AMR)菌の検出が問題となっている。AMRへの対応において,AMR菌をつくりださないこと,そして広げないことが重要となる。近年,AMR対策に関して,抗菌薬適正使用の推進の視点から感染防止対策加算や抗菌薬適正使用支援加算が新設されている。特に抗菌薬適正使用の推進においては,Antimicrobial Stewardship Team(AST)の設置と,本チームを中心としたAMR対策の強化が目標となっている。AMR対策においては,医師,薬剤師,微生物検査技師,看護師,事務職員による多職種連携が重要であり,それぞれの職種における特徴を生かした活動が鍵となっている。本稿では,AMR対策・AST活動において看護師がどのようにかかわっていくべきであるのか,その役割と責任,活動の方向性に関して概説する。
Key word
antimicrobial stewardship team, nurse practitioner, community-based integrated care systems
別刷請求先
*神奈川県相模原市南区麻溝台2-1-1
受付日
2018年10月16日
受理日
2019年8月2日
日化療会誌 67 (6): 633-639, 2019