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書誌情報

Vol.73 No.1 January 2025

症例報告

外来での減感作療法により治療が継続できた非結核性抗酸菌症の1例

野島 一眞1), 戸梶 孝枝1), 鈴木 太郎2), 窪田 哲也2)

1)高知県立あき総合病院薬剤科
2)同 呼吸器内科

要旨

 症例は72歳女性。非結核性抗酸菌症(Mycobacterium intracellulare)に対し,clarithromycin(CAM)1回400 mg 1日2回,ethambutol(EB)1回750 mg 1日1回,rifampicin(RFP)1回300 mg 1日2回の投与で治療を行っていたが,好酸球数増加を伴うアレルギー性の皮疹が発現して,投与を中止することになった。非結核性抗酸菌症の治療においては,薬剤選択肢が少なく,変更の余地が少ない。今回われわれは,外来でCAM,EB,RFPの各薬剤の投与スケジュールを組み,減感作療法を行った。はじめに,RFPとEBから減感作療法を行い,規定の用量に到達したところでCAMの減感作療法を行った。経過中に好酸球数増加やアレルギー性の皮疹の発現なく,規定の用量に到達して,非結核性抗酸菌症の治療を継続することができた。非結核性抗酸菌症に対する減感作療法の一成功例として報告する。

Key word

desensitization therapy, nontuberculous mycobacteriosis, EB, RFP, CAM

別刷請求先

高知県安芸市宝永町3-33

受付日

2024年4月26日

受理日

2024年9月10日

日化療会誌 73 (1): 1-6, 2025