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書誌情報

Vol.74 No.2 March 2026

原著・臨床

小児におけるtedizolidの長期使用時の安全性に関する検討

若林 智仁1, 2), 中蔵 伊知郎1), 坂倉 広大1, 2), 高橋 彩子2, 3), 今西 嘉生里1), 山西 香織1), 佐田 誠2, 3), 黒嵜 健一4), 畝 佳子1)

1)国立循環器病研究センター薬剤部
2)同 感染対策室
3)同 呼吸器・感染症診療部
4)同 小児循環器内科

要旨

 新規オキサゾリジノン系薬であるtedizolid(TZD)は,methicillin-resistant Staphylococcus aureusに効果を有する抗菌薬であり,特徴として,同系統の薬剤であるlinezolid(LZD)の使用時に問題となる有害事象の発生頻度がLZDと比較して少ないことが知られている。LZDは小児への適応を有するが,TZDについては,2025年4月現在,日本国内における臨床試験で小児を対象とした試験は実施されていない。今回,当院で小児症例に対するTZDの長期使用を複数の症例で経験したため,その安全性について報告する。2019年9月から2024年9月の期間に,当院でTZDを使用した患者は110人であり,そのうち15歳未満の小児症例において,TZDを14日以上継続して使用した症例は6人であった。年齢および体重の中央値(最小値~最大値)はそれぞれ,12.5歳(2~13歳),および32.2 kg(8.6~48.2 kg)であった。TZDの投与日数,1日投与量および体重当たりの投与量の中央値(最小値~最大値)はそれぞれ,39日(15~95日),150 mg(32~200 mg),4.25 mg/kg/日(3.7~4.8 mg/kg/日)であった。TZD使用による検査値の変化は,Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 5.0を用いて,投与終了時における投与開始前からのGradeの変化を評価し,Gradeが上昇したのはALTがGrade 1となった1例と,NaがGrade 1となった1例の計2例であった。症例数は非常に限られているが,日本人の小児症例に対し,TZDの14日間を超える長期投与の安全性を確認した。また,LZDによる血球減少を認めている症例において,TZDへの切り替え後の14日間を超える長期使用の忍容性も確認できた。今後も引き続き症例を集積し,日本人の小児症例におけるTZDの安全性についてさらに確認を行っていく必要があると考えられた。

Key word

antimicrobial, tedizolid, long-term therapy, pediatrics

別刷請求先

大阪府吹田市岸部新町6番1号

受付日

2025年6月12日

受理日

2025年12月4日

日化療会誌 74 (2): 163-169, 2026