Vol.74 No.4 July 2026
短報
Antimicrobial stewardship teamに従事する医療従事者の教育の需要および実務上の課題の比較:Osaka CiDER Training Program of Antimicrobial Stewardship受講前アンケートによる分析
1)大阪大学大学院医学系研究科変革的感染制御システム開発学寄附講座
2)大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)人材育成部門
3)大阪大学医学部附属病院感染制御部
4)大阪大学大学院医学系研究科変革的医療情報システム開発学寄附講座
要旨
抗菌薬適正使用(AS)の推進には多職種連携が不可欠だが,職種間で教育の需要や実務上の困難に差がある点は十分に検討されていない。本研究では,抗菌薬適正使用支援チーム(AST)活動に従事する医師,薬剤師,看護師,臨床検査技師を対象に,オンデマンド教育プログラム登録時のアンケートで教育の需要と実務上の困難の職種別傾向を比較した。教育の需要は全体で「抗菌薬適正使用支援の基礎知識」の選択が最も多かった。「臨床微生物学」は職種で差がみられ,医師・臨床検査技師で多く,薬剤師・看護師で少なかった。この傾向は,臨床微生物学を体系的に学ぶ教育機会の不足により,その重要性が十分に認識されていないためと考えられる。実務上の困難では全体で「知識不足」が最多であり,「知識不足」,「ASTメンバー以外の医療スタッフへの教育」,「活動戦略」に職種間差がみられた。薬剤師では「主治医とのコミュニケーション」や「ASTメンバーへの教育」を課題とする割合が高かった。AS推進には,知識不足を補う教育機会に加え,実践的スキルや多職種協働を強化し,役割理解と立場を越えた意見交換を促すコミュニケーション教育が重要である。
Key word
antimicrobial resistance, antimicrobial stewardship team, education, questionnaire survey
責任著者連絡先
*大阪府吹田市山田丘1番10号
受付日
2025年12月26日
受理日
2026年4月8日
日化療会誌 74 (4): 508-514, 2026


