Vol.74 No.5 September 2026
原著・臨床
感染症専門医およびAntimicrobial Stewardship Team専従薬剤師が不在施設における連日活動の有用性:血液培養陽性症例を対象とした後方視的研究
1)京都第二赤十字病院薬剤部
2)同 感染管理室
3)同 消化器内科
要旨
抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)による介入は,抗菌薬治療の質向上に寄与するが,活動頻度が臨床アウトカムに及ぼす影響は十分に検証されていない。本研究では,感染症専門医およびAST専従薬剤師が不在の施設において,ASTの連日活動が臨床アウトカムに与える影響を後方視的に検討した。
2012年から2024年に当院で血液培養陽性となった5,714例を対象とし,ASTが週1回活動していた期間(週1群)と連日活動していた期間(連日群)に分類した。プロペンシティスコアマッチングにより各群913例を抽出した結果,連日群では週1群と比較し,適切な抗菌薬投与開始までの日数が有意に短縮した(中央値0日vs. 1日,p<0.01)。また,AST介入率(41.1% vs. 18.9%),適切な抗菌薬投与率(93.4% vs. 83.0%),de-escalation実施率(37.2% vs. 18.8%)がいずれも有意に高値であった(p<0.01)。臨床アウトカムにおいても,連日群で入院期間の短縮(中央値19日vs. 30日)および30日以内死亡率の低下(4.1% vs. 10.8%)が認められた(p<0.01)。以上より,専門医等が不在の施設でも,ASTの連日活動はリアルタイムな評価と治療最適化を可能とし,臨床アウトカムの改善に寄与することが示唆された。
Key word
antimicrobial stewardship, bacteremia, clinical outcome, mortality, length of stay
責任著者連絡先
*京都府京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5
受付日
2026年3月19日
受理日
2026年5月19日
日化療会誌 74 (5): 547-555, 2026


