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書誌情報

Vol.52 No.5 May 2004

原著・臨床

Cefdinir経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行

小俣 裕昭1), 池田 眞紀子1), 小宮 正道1), 秋元 芳明1), 藤井 彰2)

1)日本大学松戸歯学部口腔外科学教室
2)同 薬理学教室

要旨

 下顎埋伏第三大臼歯を抜歯した患者を対象とし,術前にcefdinir(CFDN)200 mgを経口投与し,血清,歯肉,下顎骨,および歯嚢中のCFDN濃度をペーパーディスク法で測定し,以下の結果を得た。
 1)血清中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ,平均ピーク濃度は,1.39 μg/mLであった。
 2)歯肉中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ,平均ピーク濃度は,0.60 μg/gであった。またピーク時間における歯肉/血清は,0.42であった。
 3)下顎骨中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ,平均ピーク濃度は,0.25 μg/gであった。またピーク時間における下顎骨/血清は,0.18であった。
 4)歯嚢中CFDN濃度のピーク時間はCFDN投与後3.5時間に認められ,平均ピーク濃度は,0.51 μg/gであった。またピーク時間における歯嚢/血清は,0.35であった。
 以上の結果より歯肉,下顎骨および歯嚢中の平均ピークCFDN濃度は,歯性感染症より分離されたoral streptococciのMIC80値を超えており,CFDNは歯科臨床上有用な抗菌薬であると推察された。

Key word

cefdinir, CFDN, penetration into oral tissue

別刷請求先

千葉県松戸市栄町西2-870-1

受付日

平成16年3月11日

受理日

平成16年4月15日

日化療会誌 52 (5): 265-269, 2004