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書誌情報

Vol.52 No.7 July 2004

総説

キノロン系薬およびエフラックスポンプ阻害薬の開発

星野 一樹

第一製薬株式会社創薬第一研究所

要旨

 主要な病原細菌のゲノム情報については,現在ほとんどのものが公開情報として利用可能であり,細菌関連研究において時代はすでにポストゲノムに入っている。このような環境での新規な抗菌薬開発においては,抗菌薬の標的検証,耐性化の動向把握,標的蛋白質構造と抗菌薬化合物との分子レベルでの相互作用検証,さらには標的蛋白質構造を元にしたin silicoでの阻害化合物スクリーニング等の研究プロセスにおいてゲノム情報が活用されている。われわれの取り組んできたキノロン系薬あるいはエフラックスポンプ阻害薬開発研究においても,標的の菌種間分布の検証,耐性分布の検証,標的阻害の効果推定等にゲノム情報を活用してきた。近年,膜蛋白質の結晶化技術も進歩してきており,構造生物学的アプローチによる新たな阻害化合物リードの発見が期待される。

Key word

post-genome, quinolone resistance, efflux pump, Pseudomonas aeruginosa

別刷請求先

東京都江戸川区北葛西1-16-13

受付日

平成16年5月7日

受理日

平成16年6月15日

日化療会誌 52 (7): 355-360, 2004