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書誌情報

Vol.52 No.11 November 2004

原著・基礎

当院で検出されたバンコマイシン耐性腸球菌の解析

石坂 美紀1), 高橋 綾子1), 四方田 幸恵1), 飯塚 恵子2), 村上 正巳1)

1)群馬大学医学部附属病院検査部
2)同 薬剤部

要旨

 当院では,2002年8月に入院患者の喀痰よりバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)が検出され,2003年2月に他の患者の糞便よりVREが検出された。前者の分離株はバンコマイシン(VCM)のMICが8 μg/mL,後者の分離株は16 μg/mLであった。後者からはVCM投与中止後に4 μg/mLの株が分離された。これら3株ともVRE selective培地(BD)に発育を認め,van B遺伝子をもっていた。われわれは,この現象をVCMによる耐性誘導と考え実験を行った。4 μg/mLの株はVCM加培地で培養したところ,MICの上昇が認められ,誘導であることが確認された。日常検査でのMICのみの測定ではvan B遺伝子をもつVCMのMICが低い株を見逃す危険がある。

Key word

vancomycin-resistant enterococci, van B

別刷請求先

群馬県前橋市昭和町3-39-15

受付日

平成16年6月29日

受理日

平成16年10月20日

日化療会誌 52 (11): 660-663, 2004