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書誌情報

Vol.52 No.11 November 2004

短報

当院におけるバンコマイシン使用状況と便中バンコマイシン耐性菌の検出状況

石坂 美紀1), 高橋 綾子1), 四方田 幸恵1), 飯塚 恵子2), 村上 正巳1)

1)群馬大学医学部附属病院検査部
2)同 薬剤部

要旨

 バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)が検出されたことをきっかけに,当院入院患者の便を用いてバンコマイシン(VCM)耐性菌の保菌状態とVCM使用状況との関係を250名の糞便,延べ459検体を対象として調べた。菌の検出はVCM 4 μg/mL加エンテロコッコセルブロスおよびVCM 8 μg/mL加エンテロコッコセル寒天培地を用いた。VCM投与群における耐性菌保有率は23名中12名(52%)で,非投与群の保有率182名中48名(26%)に比べて有意に高値であった(p<0.05)。これらの結果から,VCM耐性菌の出現とVCM投与に関連があることが示唆され,VCMの慎重な投与が望まれるものと考えられた。

Key word

vancomycin, van B, drug-resistance, dose-response relationship

別刷請求先

群馬県前橋市昭和町3-39-15

受付日

平成16年6月29日

受理日

平成16年10月20日

日化療会誌 52 (11): 664-666, 2004