Vol.53 No.4 April 2005
臨床試験
Telithromycin小型製剤の既存製剤との同等性
1)アベンティス ファーマ株式会社開発研究所臨床薬理研究室*
2)同 臨床研究センター分析研究室
3)同 臨床研究センター製剤研究室
4)Clinical Pharmacokinetics, Drug Metabolism and Pharmacokinetics, Aventis Pharma France
5)東京女子医科大学附属第二病院薬剤部
要旨
経口ケトライド系抗菌薬であるtelithromycin(TEL)の既存製剤(300 mg錠)の服用性を改善する目的で,体積を約75%に縮小した小型製剤を開発した。それに伴い両製剤の生物学的同等性を検討するため,溶出試験ならびにヒトでの生物学的同等性試験を実施した。溶出試験では,規定されたいずれの試験液においても,既存製剤,小型製剤とも15分以内に平均85%以上溶出し,ガイドラインにおける基準に適合したため,両製剤の溶出挙動は同等と判定された。ヒト生物学的同等性試験(600 mg単回投与)では,最高血漿中濃度(Cmax),血漿中濃度―時間曲線下面積(AUC0-Z)の平均値の比(小型製剤/既存製剤)がそれぞれ94.2%,97.0%で,両側90%信頼区間も生物学的同等の許容域である80~125%の範囲内であったことから,同等と判定された。
以上の結果から,TEL小型製剤は既存製剤と生物学的に同等であることが確認された。
Key word
telithromycin, reduced-size formulation, dissolubility, bioequivalence, ketolide
別刷請求先
*東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー
受付日
平成16年12月27日
受理日
平成17年3月18日
日化療会誌 53 (4): 268-273, 2005