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書誌情報

Vol.53 No.6 June 2005

短報

2003年以降に分離された各種臨床分離株に対するtosufloxacinの抗菌活性

佐藤 弓枝, 松崎 薫, 村岡 宏江, 雑賀 威, 長谷川 美幸, 小林 寅喆

三菱化学ビーシーエル化学療法研究室

要旨

 主に2003年から2004年の期間に国内の感染症患者より分離された各種病原微生物のtosufloxacin(TFLX)を含むfluoroquinolone系抗菌薬に対する薬剤感受性を測定した。
 Penicillin-resistant Streptococcus pneumoniaeを含むStreptococcus spp. に対しTFLXは測定抗菌薬中最も高い抗菌活性を示した。またMoraxellaBranhamellacatarrhalisに対して検討した抗菌薬は強い抗菌力を示した。Haemophilus influenzaeは1株を除きfluoroquinolone系抗菌薬に感性であった。呼吸器感染症の主要病原菌に対して,TFLXは強い抗菌力を示した。Legionella pneumophilaに対しTFLXは測定薬剤中最も抗菌力が強く,Mycoplasma pneumoniaeおよびChlamydia spp. に対しTFLXはgatifloxacin(GFLX)に次いで高い活性を示した。
 以上の結果から,TFLXは感染症患者より近年に分離された新鮮臨床分離株全般に対して優れた抗菌力を示し,各種感染症の治療抗菌薬として有用と考えられた。

Key word

tosufloxacin, antibacterial activity, clinical isolate

別刷請求先

東京都板橋区志村3-30-1

受付日

平成16年12月17日

受理日

平成17年4月19日

日化療会誌 53 (6): 364-370, 2005