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書誌情報

Vol.53 No.6 June 2005

市販後調査

小児を対象としたazithromycinの市販後調査

青木 宏二, 大竹 登志郎, 吉田 由希, 南山 茎子, 今村 恭子

ファイザー株式会社メディカル・アフェアーズ統括部

要旨

 15員環マクロライド系抗菌薬であるazithromycin(AZM;ジスロマック®)は,本邦において2000年3月に承認を取得し,同年6月に発売を開始した。ジスロマック®特別調査(小児に対する調査)は,小児に対する安全性および有効性等の適正使用情報の確認を目的として2001年8月より調査を実施した。集積された778症例のうち718例を安全性解析対象例,631例を有効性解析対象例とした。
 安全性解析対象例718例のうち38例に39件の副作用が認められ,副作用発現症例率は5.29%(38/718)であった。主な副作用は,「下痢」 19件,「嘔吐」 7件であり,重篤な副作用は認められなかった。
 また,添付文書の「使用上の注意」で注意喚起を行っている2歳未満の「胃腸障害」の副作用は8.57%(12/140)の頻度で認められた。重篤度はいずれも軽微であり,転帰については軽快または消失・回復が確認された。
 同様に「使用上の注意」で注意喚起を行っている「白血球数減少」および「好中球数減少」の副作用発現症例率は,それぞれ0.68%(3/442),0.53%(2/376)であった。
 有効性解析対象例631例における呼吸器感染症(咽喉頭炎,急性気管支炎,扁桃炎,肺炎)の有効率は88.8%(523/589),耳鼻科領域感染症(中耳炎)の有効率は85.7%(36/42)であった。
 呼吸器感染症のうち起炎菌が同定された症例は,複数起炎菌症例を含み226例であった。主な起炎菌別の有効率は,Mycoplasma属が93.1%(122/131),Streptococcus pneumoniaeが84.6%(11/13),Haemophilus influenzaeが77.1%(27/35)であった。

Key word

azithromycin, postmarketing surveillance, pediatric, safety, efficacy

別刷請求先

東京都渋谷区代々木3-22-7

受付日

平成17年3月2日

受理日

平成17年4月22日

日化療会誌 53 (6): 371-383, 2005