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書誌情報

Vol.53 No.7 July 2005

原著・臨床

扁桃炎および副鼻腔炎におけるazithromycinとcefcapene pivoxilの有効性

宮本 直哉1), 村上 信五2), 渡邊 暢浩2), 小関 晶嗣2)

1)愛知県農業協同組合連合会加茂病院耳鼻咽喉科
2)名古屋市立大学大学院医学研究科生体機能・構造医学専攻耳鼻神経感覚医学

要旨

 15員環マクロライド系抗菌薬azithromycin(AZM;ジスロマック®)は,血中よりも扁桃や副鼻腔などの組織へ特異的に移行し,1日1回3日間という短期間の服薬で約7日間臨床効果が持続する経口抗菌薬である。そこで,耳鼻咽喉科領域感染症として多くみられる通常7日間の服薬が必要な急性扁桃炎および急性副鼻腔炎において,AZM 500 mg,1日1回3日間投与と,汎用されている薬剤の一つであるcefcapene pivoxil(CFPN-PI;フロモックス®)100 mg,1日3回7日間投与の臨床効果を比較検討した。その結果,両疾患とも同等の高い臨床効果が得られたが,特に著効率に関してはAZMのほうが高かった。以上より,AZMは3日間という短期間の服薬により患者の服薬負担軽減による高いコンプライアンスと臨床効果のバランスのとれた抗菌薬であり,耳鼻咽喉科領域感染症の初期治療において第一選択薬の一つであると考えられた。

Key word

azithromycin, cefcapene pivoxil, tonsillitis, sinusitis, efficacy

別刷請求先

愛知県豊田市元城町3-17

受付日

平成17年2月23日

受理日

平成17年5月11日

日化療会誌 53 (7): 417-420, 2005