Vol.53 No.7 July 2005
市販後調査
成人を対象としたazithromycinの市販後調査
ファイザー株式会社メディカル・アフェアーズ統括部*
要旨
「ジスロマック®特別調査(指定菌種を起炎菌とする感染症での臨床効果に関する調査)」(以下,本調査)は,Haemophilus influenzae,Streptococcus pneumoniae,Mycoplasma属,Chlamydia pneumoniae,Moraxella(Branhamella)catarrhalis,Peptostreptococcus属(以下,指定菌種)を起炎菌とする感染症に対するazithromycin(AZM;ジスロマック®)の有効性の確認を主目的として実施した。有効性解析対象例307例について有効性の検討を行い,また,安全性解析対象例327例について安全性の検討を行った。
有効性解析対象例307例における疾患領域別の有効率は,呼吸器感染症が85.7%(114/133),耳鼻科領域感染症(副鼻腔炎)が90.7%(107/118),歯科・口腔外科領域感染症が85.7%(48/56)であった。
菌種別の有効率は,H. influenzae 92.1%(93/101),S. pneumoniae 81.5%(75/92),Mycoplasma属94.1%(32/34),C. pneumoniae 90.9%(10/11),M. catarrhalis 94.6%(35/37),Peptostreptococcus属84.6%(44/52)であった(複数起炎菌を含む)。
安全性解析対象例327例中11例に11件の副作用が認められ,副作用発現症例率は3.36%(11/327)であった。重篤な副作用は認められなかった。
Key word
azithromycin, postmarketing surveillance, efficacy, safety
別刷請求先
*東京都渋谷区代々木3-22-7
受付日
平成17年5月2日
受理日
平成17年6月27日
日化療会誌 53 (7): 421-430, 2005