ページの先頭です
ホーム > バックナンバー > 目次 > 書誌情報
言語を選択(Language)
日本語(Japanese)English

書誌情報

Vol.53 No.S-1 July 2005

臨床試験

腎機能障害患者におけるdoripenemの体内動態

上原 慎也1), 村尾 航1), 瀬野 祐子1), 安東 栄一1), 門田 晃一1), 狩山 玲子1), 津川 昌也2), 中島 光好3), 公文 裕巳1)

1)岡山大学大学院医歯学総合研究科泌尿器病態学
2)岡山市立市民病院泌尿器科
3)株式会社浜松シーピーティー研究所

要旨

 腎機能障害患者におけるdoripenem(DRPM)の体内動態を健康成人男性の成績と比較検討した。Ccrを指標として腎機能障害の程度により軽度障害患者:50≦Ccr<70 mL/min(I群,n=4),中等度障害患者:30≦Ccr<50 mL/min(II群,n=6),高度障害患者:Ccr<30 mL/min(III群,n=2)の3群に分け,健康成人男性を対象とした第I相臨床試験の成績と比較した。
 DRPM 250 mg単回投与後のAUCは健康成人群20.26 μg・h/mL,I群40.55 μg・h/mL,II群48.21 μg・h/mL,III群64.31 μg・h/mLであり,Ccrの低下に応じて増加した。血中消失半減期はそれぞれ0.90,1.98,2.16,3.56時間で,Ccrの低下に応じて延長した。
 投与開始後24時間までの尿中排泄率は健康成人群74.5%,I群63.9%,II群67.3%,III群58.2%であり,Ccrの低下により減少する傾向が認められた。
 副作用は認められなかった。
 以上の成績より,本薬剤を腎機能低下例に使用する場合には投与量,投与間隔を充分に考慮する必要があると考えられた。

Key word

doripenem, renal dysfunction, pharmacokinetic

別刷請求先

岡山県岡山市鹿田町2-5-1

受付日

平成17年1月11日

受理日

平成17年3月28日

日化療会誌 53 (S-1): 130-135, 2005