ページの先頭です
ホーム > バックナンバー > 目次 > 書誌情報
言語を選択(Language)
日本語(Japanese)English

書誌情報

Vol.53 No.S-2 November 2005

総説

Voriconazoleの開発の経緯

相川 直樹

慶應義塾大学医学部救急医学

要旨

 Voriconazole(VRCZ)は,fluconazole(FLCZ)を改良することによりその抗菌特性を高めた新規のトリアゾール系抗真菌薬である。VRCZの開発時の目標は,1)non-albicansなどFLCZに抵抗性のカンジダ属のほか,アスペルギルス属やクリプトコックス属に対しても高い抗真菌活性を有すること,2)中枢神経系への高い移行性などFLCZの有する優れた薬物動態学上の性質をそのまま引き継ぐこと,3)入院治療から外来や在宅治療へのスムーズな移行(スイッチ療法)が可能となるよう点滴静注薬と経口薬の両剤形を有すること,4)主要真菌症,特にアスペルギルス症に対する優れた臨床効果を有すること,および,5)安全性と忍容性に優れていることなどであった。これらの開発目標は多くの非臨床および臨床試験成績から達成されていることが確認された。本薬は,欧米ではすでに40カ国以上で広く臨床使用されており,わが国においても2005年4月に承認された。

Key word

deep-seated mycosis, voriconazole, non-albicans Candida, Aspergillus

別刷請求先

東京都新宿区信濃町35

受付日

平成17年7月8日

受理日

平成17年9月28日

日化療会誌 53 (S-2): 4-7, 2005