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書誌情報

Vol.53 No.S-3 December 2005

臨床試験

市中肺炎に対するlevofloxacinを対照薬としたBAY 12-8039(moxifloxacin)第III相二重盲検比較試験

小林 宏行1), 青木 信樹2), 二木 芳人3), 渡辺 彰4), 河合 伸5), 小田切 繁樹6), 河野 茂7), 山口 惠三8), 斎藤 厚9)

1)杏林大学医学部, 2)信楽園病院内科, 3)川崎医科大学呼吸器内科
4)東北大学加齢医学研究所呼吸器腫瘍研究分野, 5)杏林大学医学部感染症科
6)神奈川県立循環器呼吸器病センター(現 小田切呼吸器科クリニック, 横浜RTI臨床研究所)
7)長崎大学大学院医歯薬総合研究科感染分子病態学講座, 8)東邦大学医学部微生物学教室
9)琉球大学大学院医学研究科感染病態制御学講座分子病態感染症学分野(現 日赤長崎原爆諫早病院)

要旨

 新規のニューキノロン系合成抗菌薬であるBAY 12-8039(moxifloxacin: MFLX)の市中肺炎に対する有効性および安全性を検討する目的で, levofloxacin(LVFX)を対照薬として無作為化二重盲検群間比較試験を実施した。
 MFLXは1回400 mgの1日1回(MFLX群), LVFXは1回100 mgの1日3回(LVFX群)とし, いずれも10日間経口投与した。有効性解析対象例246例に対する総合臨床効果の有効率は, MFLX群94.0%(110/117例), LVFX群94.6%(122/129例)であり, MFLX群のLVFX群に対する総合臨床効果の非劣性が検証された。細菌学的評価可能例86例における菌消失率は, MFLX群92.3%(36/39例), LVFX群82.6%(38/46例)であった。原因菌別にみた総合細菌学的効果における菌消失率は, MFLX群92.7%(38/41株), LVFX群84.3%(43/51株)であった。また, 安全性解析対象例302例の副作用発現率は, MFLX群16.8%(25/149例), LVFX群11.1%(17/153例)であった。
 以上の成績より, MFLX 1回400 mg 1日1回10日間投与は, 市中肺炎の治療に対して, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。

Key word

community-acquired pneumonia, double-blind trial, moxifloxacin, levofloxacin

別刷請求先

東京都三鷹市新川6-20-2

受付日

平成17年10月3日

受理日

平成17年11月24日

日化療会誌 53 (S-3): 27-46, 2005