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書誌情報

Vol.54 No.3 May 2006

短報

モルモットの播種性カンジダ症および肺アスペルギルス症モデルにおけるmicafunginの治療効果

池田 文昭1), 松本 哲2), 若井 芳美2), 中井 徹2), 波多野 和男2), 牧 克之2)

1)アステラス製薬育薬研究所
2)同 薬理研究所

要旨

 モルモットを用いて致死性の播種性カンジダ症および肺アスペルギルス症モデルを作製し,micafungin(MCFG)およびvoriconazole(VRCZ)の延命効果を検討した。感染したモルモットにMCFGを1日2回,9日間皮下投与してvehicle投与群と生存数変化を比較したところ,播種性カンジダ症:0.32 mg/kg投与群,肺アスペルギルス症:1.0 mg/kg投与群において有意な延命効果が認められた。また,VRCZも1日2回,9日間経口投与して生存数変化を無治療群と比較したところ,播種性カンジダ症:1.0 mg/kg投与群,肺アスペルギルス症:3.2 mg/kg投与群で有意な延命効果が認められた。モルモットに両薬剤の5 mg/kgを皮下または経口投与したときの血漿中CmaxおよびAUCはヒトにMCFGを50~75 mg/body(ヒトの体重を50 kgとしたとき1.0~1.5 mg/kg)またはヒトにVRCZを3.0~4.0 mg/kg静脈内投与したときと近似していることから,MCFGおよびVRCZの臨床投与量において播種性カンジダ症および肺アスペルギルス症に対して有効性を示すことが示唆された。

Key word

Candida albicans, Aspergillus fumigatus, animal model, micafungin, voriconazole

別刷請求先

大阪府大阪市中央区道修町3-4-7

受付日

平成17年12月14日

受理日

平成18年3月3日

日化療会誌 54 (3): 255-259, 2006