Vol.54 No.3 May 2006

速報

ポビドンヨード製剤の抗カリシウイルス活性

遠矢　幸伸^1）, 神山　浩子^1）, 疋田　宗生^2）, 八代　純子^2）

^1）東京大学大学院農学生命科学研究科獣医微生物学研究室^＊
2）明治製菓株式会社

要旨

　ネコおよびイヌカリシウイルスに対するポビドンヨード（PVP-I）製剤のin vitroにおける抗ウイルス活性を検討した。供試したいずれのPVP-I製剤（PVP-I消毒液，PVP-I含嗽液，PVP-I手指消毒液，速乾性PVP-I手指消毒液，PVP-I喉用液）も10秒間作用でほぼ検出限界以下までウイルス感染価を低下させ，比較薬剤のエタノール，塩化ベンゼトニウムおよびグルコン酸クロルヘキシジンに比して明らかに優れたカリシウイルス不活化作用を有することが示された。本研究で示されたPVP-I製剤の高い抗ウイルス作用は，同じカリシウイルス科に分類されるノロウイルスに対する有効性をも示唆するものと考えられた。

Key word

anti-viral activity, calicivirus, povidone-iodine

別刷請求先

^＊東京都文京区弥生1-1-1

受付日

平成18年2月3日

受理日

平成18年3月16日

日化療会誌 54 (3): 260-262, 2006