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書誌情報

Vol.54 No.3 May 2006

市販後調査

2004年に分離された血液由来菌に対するmeropenemの抗菌力

小林 芳夫, 墨谷 祐子, 杉田 香代子, 上遠野 保裕

慶應義塾大学医学部中央臨床検査部

要旨

 2004年1月~2004年10月に慶應義塾大学中央臨床検査部にて血液培養検体から分離・同定した144株を対象とし,meropenem(MEPM)の抗菌力を対照薬剤とともに測定した。さらに,本検討における成績を同様に調査した1997年10月~1998年3月の分離株,1999年1~6月の分離株および2002年9月~2003年3月の分離株における成績と比較することにより,MEPMに対する血液由来臨床分離株の感受性動向を検討し,以下の結果を得た。
 (1)MEPMは,カルバペネム系薬のなかでも,グラム陰性菌に対して特に優れた抗菌活性を示し,Pseudomonas aeruginosaに対する耐性株(MIC≧16 μg/mL)も認められなかった。
 (2)MEPMを含むカルバペネム系薬は,本来抗菌活性を期待できないmethicillin-resistant Staphylococcus aureusなどのブドウ球菌の多剤耐性株を除く菌株に対しては概ね良好な抗菌力を示した。
 (3)1997~1998年,1999年および2002~2003年における分離株での成績と比較して,2004年分離株においてはMEPM耐性株の顕著な増加は認められなかった。

Key word

blood culture, antimicrobial susceptibility, antibacterial activity, carbapenems, meropenem

別刷請求先

東京都新宿区信濃町35

受付日

平成17年11月11日

受理日

平成18年3月2日

日化療会誌 54 (3): 263-270, 2006