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書誌情報

Vol.54 No.5 September 2006

原著・基礎

臨床分離CTX-M-2グループβ-ラクタマーゼ産生Proteus mirabilisの各種抗菌薬に対する感受性

若松 篤, 黒川 博史, 芹澤 亜矢子, 石松 尚, 永田 明義

株式会社保健科学研究所感染症分析センター細菌学グループ

要旨

 2005年5月から7月に,各種臨床材料から分離されたCTX-M-2グループβ-ラクタマーゼ産生Proteus mirabilis 148株に対し,各種抗菌薬のMICを測定した。その結果,β-ラクタム系抗菌薬であるceftibuten,ceftazidime,cefmetazole,latamoxef,imipenem,meropenem,aztreonamのMIC90は順に,1 μg/mL,0.5 μg/mL,4 μg/mL,≦0.25 μg/mL,2 μg/mL,≦0.25 μg/mL,2 μg/mLと良好な感受性を示した。一方,ampicillin,piperacillin,cefazolin,cefotaximeのMIC90は,≧256 μg/mLと高値を示した。テトラサイクリン系抗菌薬であるminocyclineのMIC90は128 μg/mLと高く,アミノグリコシド系抗菌薬のamikacin,tobramycin,gentamicinのMIC90は順に8 μg/mL,16 μg/mL,16 μg/mLであった。ニューキノロン系抗菌薬であるlevofloxacin,ciprofloxacin,gatifloxacinは幅広いMIC分布を示し,それらのMIC rangeは,順に≦0.25~≧256 μg/mL,≦0.25~≧256 μg/mL,≦0.25~128 μg/mLであった。またMIC90は,すべて32 μg/mLであった。Extended spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌は医療関連施設での感染対策上,重要な菌である。よって各種抗菌薬の感受性検査は,さらに重要視されよう。

Key word

extended spectrum β-actamase, Proteus mirabilis, drug susceptibility

別刷請求先

神奈川県横浜市保土ヶ谷区神戸町106

受付日

平成18年3月28日

受理日

平成18年6月15日

日化療会誌 54 (5): 447-452, 2006