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書誌情報

Vol.55 No.4 July 2007

市販後調査

下気道感染由来および尿路感染由来緑膿菌の薬剤感受性(2004年~2005年)

石井 良和1), 大野 章1), 岩田 守弘2), 村上 日奈子2), 山口 惠三1, 2)

1)東邦大学医学部微生物・感染症学講座
2)東邦大学医療センター大森病院検査部

要旨

 2004年および2005年に東邦大学医療センター大森病院において分離された下気道感染由来緑膿菌402株および尿路感染由来緑膿菌208株の各種抗菌薬に対する薬剤感受性を検討した。Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)のブレイクポイントに基づき算定した感性率は,2003年の成績と比較して改善傾向が認められた。下気道感染由来株の感性率(2004年/2005年)は,ceftazidime(CAZ)に対して94.0%/91.6%,imipenem(IPM)に対して67.5%/75.5%,ciprofloxacin(CPFX)に対して81.5%/85.6%,amikacin(AMK)に対して99.0%/99.0%であった。一方,尿路感染由来株の感性率(2004年/2005年)は,CAZに対して90.6%/82.4%,IPMに対して82.1%/69.6%,CPFXに対して76.4%/78.4%,AMKに対して95.3%/98.0%であった。
 一方,今後問題になってくる可能性のある事象として,セフェム系薬における感性率の低下傾向や尿路分離株を中心とする多剤耐性菌の増加傾向などが認められ,適切な対応が必要であると考えられた。

Key word

MIC, Pseudomonas aeruginosa, lower respiratory tract infection, urinary tract infection, ceftazidime

別刷請求先

東京都大田区大森西5-21-16

受付日

平成19年4月27日

受理日

平成19年5月29日

日化療会誌 55 (4): 278-285, 2007