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書誌情報

Vol.55 No.S-1 October 2007

原著・基礎

Garenoxacinのカニクイザルにおける反復経口投与毒性試験

木澤 和夫1), 福本 博之1), 三善 隆広1), 角崎 英志2), 藤堂 洋三1)

1)富山化学工業株式会社綜合研究所
2)株式会社新日本科学安全性研究所

要旨

 Garenoxacin mesilate hydrate(GRNX)の10,30,100 mg/kgを雌雄のカニクイザルに1日1回,3カ月間連日経口投与し,その毒性を調べるとともに,30および100 mg/kg群については3カ月間の休薬期間を設けて回復性を調べた。その結果,100 mg/kgで投与期間中,嘔吐および流涎が観察された。これらの症状はおおむね投与直後に発現し,時間の経過とともに消失した。また,投与期間終了時の病理組織学的検査では胃底腺の萎縮がみられた。本変化には休薬による回復性が認められた。体重推移,摂餌量,眼科学的検査,心電図検査,聴覚検査,尿検査,血液学的検査および血液生化学的検査でGRNX投与に起因する変化は,いずれの用量においても認められなかった。本試験における無毒性量は30 mg/kgであり,その際のGRNXの全身曝露は,Cmaxで11.2~16.9 μg/mL, AUCで88.6~159 μg・h/mLであった。なお,30 mg/kg以上で口腔粘膜をはじめとする各種器官および組織に赤紫色の着色,甲状腺に黒褐色の変色がみられたが,いずれの器官および組織にも着色に関連すると考えられる組織学的な変化は認められず,血中の甲状腺ホルモン(T3,T4,遊離T3および遊離T4)濃度にも異常はみられなかった。また,着色には休薬による回復性が認められた。

Key word

garenoxacin, des-fluoro(6)-quinolone, monkey, subacute toxicity

別刷請求先

富山県富山市下奥井2-4-1

受付日

平成19年5月9日

受理日

平成19年7月6日

日化療会誌 55 (S-1): 42-53, 2007