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書誌情報

Vol.55 No.S-1 October 2007

原著・基礎

Garenoxacinの各種動物における体内動態

加藤 寛, 早川 大善, 福島 容子, 門田 卓美, 福本 博之, 藤堂 洋三

富山化学工業株式会社綜合研究所

要旨

 新規なdes-fluoro(6)-quinolone系抗菌薬であるgarenoxacin mesilate hydrate(GRNX)の各種動物における体内動態について検討した。GRNXは経口投与後,すみやかに吸収され,大脳および脊髄等の中枢神経系の組織・器官を除く,大部分の組織・器官に広く分布した。ラットおよびサルに[14C]GRNXを投与した後の放射能の大部分は体外へ排泄され,残留性は低いと考えられた。また各種動物における曝露量は,今回検討した投与量の範囲(ラット:2~25 mg/kg,イヌ:8~75 mg/kg,サル:25~100 mg/kg)で,ほぼ線形であることが示唆された。マウス,ラット,イヌ,サルおよびヒトのin vitro血清蛋白結合率はGRNX濃度に依存せず,ほぼ一定であった(マウス:66.7~71.9%,ラット:86.5~89.0%,イヌ:64.5~67.6%,サル:71.2~74.5%,およびヒト:78.3~84.0%)。GRNXの尿中排泄率は,ラットで投与量の増加により低下したが,イヌでは認められず,尿中排泄の種差が認められた。また,ラットのGRNXの曝露量は,雌性において雄性と比較して低く(雄性のAUC0-∞の約33%),性差が認められた。ラットにおける胆汁中排泄および尿中排泄には性差は認められず,GRNX曝露量の性差の原因の一つとして,代謝が考えられた。

Key word

garenoxacin, absorption, tissue penetration, protein binding, excretion

別刷請求先

富山県富山市下奥井2-4-1

受付日

平成19年4月27日

受理日

平成19年7月18日

日化療会誌 55 (S-1): 78-86, 2007