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書誌情報

Vol.57 No.1 January 2009

原著・臨床

血液およびその他の臨床材料から同時に分離された緑膿菌の薬剤感受性(2005年~2006年)

金山 明子1, 2), 雑賀 威1), 伊与田 貴子1), 貴田 美寿々1), 渋谷 理恵1), 長谷川 美幸1), 池田 文昭1), 小林 寅てつ2), 辻 明良2)

1)三菱化学メディエンス化学療法研究室
2)東邦大学医学部看護学科感染制御学

要旨

 2005年2月から2006年10月の1年9カ月間に当センターに提出された血液培養ボトル49,998本(24,999症例)のうち207本(148症例)よりPseudomonas aeruginosaが検出された。これらの菌株のCLSIのブレイクポイントに基づく各種抗菌薬に対する耐性率はamikacinに対して3.4%と最も低かった。Piperacillin,tazobactam/piperacillin,meropenem,ceftazidime,ciprofloxacinに対する耐性率は10.8~20.3%,imipenemに対しては31.1%の株が耐性を示した。多剤耐性株は6症例より検出され,このうち4例からの株はメタロβ-lactamase産生株であった。血液からP. aeruginosaが検出された症例のうち55例は血液以外の臨床材料からもP. aeruginosaが検出された。このうち喀痰から検出された症例が28例と最も多く,次いで尿からの14例であった。血液以外の材料由来株の薬剤感受性は血液由来株よりも各種抗菌薬に対する耐性率が高い傾向が認められた。
 血液よりP. aeruginosaが検出された場合には,同時に他の臨床材料についても培養および感受性検査を実施する必要があると考えられた。

Key word

blood culture, multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa, metallo β-lactamase

別刷請求先

東京都板橋区志村3-30-1

受付日

平成20年8月25日

受理日

平成20年12月2日

日化療会誌 57 (1): 26-31, 2009