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書誌情報

Vol.57 No.S-1 March 2009

原著・臨床

小児患者におけるtebipenem pivoxil細粒のPK-PD解析

戸塚 恭一1), 相澤 一雅2), 森田 順2), 堀 誠治3), 岩田 敏4), 砂川 慶介5)

1)東京女子医科大学病院感染対策部感染症科
2)明治製菓株式会社臨床開発部
3)東京慈恵会医科大学薬理学講座
4)独立行政法人 国立病院機構東京医療センター小児科
5)北里大学大学院感染制御科学府感染症学研究室

要旨

 Tebipenem pivoxil(TBPM-PI)は抗菌活性を有するTBPMをプロドラッグ化して経口吸収性を高めた新規の経口カルバペネム系抗菌薬である。今回,小児患者を対象としたTBPM-PIの臨床試験においてPharmacokinetics-Pharmacodynamics(PK-PD)解析を実施した。
 TBPMの血漿中濃度が測定でき,かつ原因菌のMICを測定した70名86株のデータを解析対象としてPK-PD解析を実施した。PK-PDパラメータと主に細菌学的効果の関係から,PK-PDパラメータのターゲット値を検討した。
 細菌学的効果は良好で,存続と判定された菌株数は1株のみであったが,細菌学的効果におけるAUCf/MICのターゲット値は6と推定された。また,細菌学的効果とCmaxf/MICおよびT>MICとの間には明確な関係は認められなかった。
 以上のように,小児患者を対象とした臨床試験においてPK-PD解析を実施した結果,良好な有効性を得る指標となるPK-PDパラメータのターゲット値を推定でき,TBPM-PIによる確実な治療を行うための有用な情報が得られた。

Key word

tebipenem pivoxil, child, PK-PD

別刷請求先

東京都新宿区河田町8-1

受付日

平成20年10月28日

受理日

平成21年2月26日

日化療会誌 57 (S-1): 186-191, 2009