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書誌情報

Vol.57 No.5 September 2009

短報

Antimicrobial use density算出時に用いるdefined daily dose設定量の問題点

植木 哲也1), 粟屋 幸一2), 伊藤 重彦3)

1)北九州市立八幡病院薬剤科
2)同 内科
3)同 外科

要旨

 Antimicrobial use density(AUD)は,病院における抗菌薬使用量の評価方法として広く利用されている。AUDの算出には,世界保健機構によって規定された1日投与量(defined daily dose:DDD)が用いられている。しかし,抗菌薬の投与量は国によって異なるため,われわれはDDD設定量の妥当性について疑問をもった。本研究では,当院で5年間に使用された7つの抗菌薬について,AUDの算出式に組み込まれている抗菌薬の総使用量をDDDで除した値(総使用量/DDD)と実際の抗菌薬延べ投与日数を1カ月単位で比較し,さらに処方された1日投与量(prescribed daily dose:PDD)の平均値を調査した。その結果,DDDとPDDの平均値に大きな差が認められる抗菌薬では,総使用量/DDDと延べ投与日数が有意に異なっており,DDDとPDDの差の程度がAUDの値に影響を及ぼしていることが示された。したがって,AUDによる適正な評価のためには,日本での抗菌薬使用の実情にあったDDDを設けることが必要と考えられる。

Key word

antimicrobial use density, defined daily dose, daily dose

別刷請求先

福岡県北九州市八幡東区西本町4-18-1

受付日

平成21年2月10日

受理日

平成21年7月3日

日化療会誌 57 (5): 430-433, 2009