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書誌情報

Vol.57 No.5 September 2009

市販後調査

Clavulanic acid/Amoxicillin(1:14)小児用ドライシロップの特定使用成績調査

尾内 一信1), 岩田 敏2), 岡野 英幸3), 安部 博晴3)

1)川崎医科大学小児科学講座
2)国立病院機構東京医療センター小児科
3)グラクソ・スミスクライン株式会社開発本部PMS部

要旨

 β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質製剤であるクラバモックス®小児用ドライシロップ(clavulanic acid/amoxicillin(1:14),CVA/AMPC(1:14))の市販後における安全性および有効性を検討することを目的に,2007年11月から2008年10月にかけて小児の呼吸器感染症,皮膚感染症および尿路感染症患者を対象に特定使用成績調査を実施した。68施設の医療機関から363例の調査票を収集し,安全性解析対象症例337例,有効性解析対象症例308例について検討を行った。
 安全性解析対象症例337例における副作用発現率は12.8%(43/337例)であった。最も多い副作用は下痢で11.9%(40/337例)に認められ,低年齢児での発現率が高かった。下痢の重症度はすべて非重篤で,CVA/AMPC(1:14)投与継続中または投与終了・中止により回復または軽快した。
 有効性解析対象症例308例における有効率は,呼吸器感染症が95.4%(267/280例),皮膚感染症が96.6%(28/29例),尿路感染症が2例中1例有効であり,全体では95.1%(293/308例)であった。また,調査対象疾患の主要原因菌であるStreptococcus pneumoniaeHaemophilus influenzaeStreptococcus pyogenesStaphylococcus aureusおよびMoraxella catarrhalisに対する原因菌別有効率は91.7~100%であった。
 以上に示すように,CVA/AMPC(1:14)は,市販後の使用実態下において呼吸器感染症,皮膚感染症等の小児感染症に対して優れた有効性ならびに安全性を示し,有用な薬剤であると考えられた。

Key word

clavulanic acid/amoxicillin, postmarketing surveillance, child, safety, efficacy

別刷請求先

岡山県倉敷市松島577

受付日

平成21年7月6日

受理日

平成21年7月30日

日化療会誌 57 (5): 438-452, 2009