Vol.57 No.6 November 2009

短報

豚由来インフルエンザウイルスに対するポビドンヨード製剤の効果

伊藤　啓史^1）, 疋田　宗生^2）, 八代　純子^2）, 喜田　宏^3）, 伊藤　壽啓^1）

^1）鳥取大学農学部獣医公衆衛生学教室^＊
2）明治製菓株式会社
^3）北海道大学大学院獣医学研究科微生物学教室

要旨

　豚インフルエンザウイルス（H1N1，H3N2，H1N2）に対するポビドンヨード（PVP-I）製剤の効果をin vitroで検討した。各種PVP-I製剤（PVP-I消毒液，PVP-I含嗽液，PVP-I手指消毒液および速乾性PVP-I手指消毒液）は，わずか10秒の反応時間で豚インフルエンザウイルスの感染価を検出限界以下に低下させた。したがって，本研究で使用したPVP-I製剤はin vitroにおいて豚インフルエンザウイルスに対する殺ウイルス効果を有することが明らかとなり，少なくともin vitroにおいて新型インフルエンザウイルスに対しても同様の有効性をもつ可能性が示された。

Key word

swine influenza virus, povidone-iodine, virucidal activity

別刷請求先

^＊鳥取県鳥取市湖山町南4-101

受付日

平成21年8月28日

受理日

平成21年10月13日

日化療会誌 57 (6): 508-510, 2009