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書誌情報

Vol.58 No.S-1 March 2010

原著・臨床

敗血症および感染性心内膜炎患者を対象としたtazobactam/piperacillin(配合比1:8製剤)の第III相試験

柴 孝也1), 石原 哲2), 河合 伸3), 三鴨 廣繁4), 横山 隆5)

1)東京慈恵会医科大学
2)社会医療法人 厚生会木沢記念病院泌尿器科
3)杏林大学医学部総合医療学感染症科
4)愛知医科大学大学院感染制御学
5)広島市医師会運営安芸市民病院

要旨

 敗血症および感染性心内膜炎を対象にβ-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質であるtazobactam/piperacillin[TAZ/PIPC(1:8)]4.5 gを1日3回投与し,有効性および安全性を評価した。
 投与終了時または中止時の有効率は95.2%(20/21例)であった。敗血症患者の有効率は95.0%(19/20例),感染性心内膜炎患者1例の臨床効果は著効であった。血液培養陽性患者は7例であり,有効率は100%(7/7例)であった。また,β-lactamase産生菌検出患者は3例であり,すべて有効以上の臨床効果が得られた。
 副作用は23例中17例の患者に48件発現し,発現率は73.9%(17/23例)であった。主な副作用は,随伴症状では下痢30.4%(7/23例),臨床検査値異常変動ではγ-GTP増加30.4%(7/23例),AST増加21.7%(5/23例),好酸球数増加21.7%(5/23例)およびALT増加17.4%(4/23例)であった。
 以上の成績より,敗血症および感染性心内膜炎に対して,TAZ/PIPC(1:8)4.5 g 1日3回投与により,高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。

Key word

tazobactam/piperacillin, sepsis, infective endocarditis, clinical trial

別刷請求先

東京都港区西新橋3-25-8

受付日

平成21年7月1日

受理日

平成21年11月2日

日化療会誌 58 (S-1): 73-87, 2010