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書誌情報

Vol.58 No.2 March 2010

症例報告

Metronidazole膣錠の経直腸投与が奏功したClostridium difficile関連下痢症の1例

原 弘士1), 岡 秀昭2)

1)横浜市立脳血管医療センター薬剤科
2)神戸大学医学部附属病院感染症内科

要旨

 Metronidazole膣錠の経直腸投与にて軽快したClostridium difficile関連下痢症の1症例について報告する。
 本症例は,Infection control teamに下痢と発熱にてコンサルテーションされた。C. difficileトキシン検査陽性となったため,C. difficile関連下痢症と診断,metronidazole錠500 mg 1日2回の内服を開始したが,奏功しなかった。胃幽門部ポリープによる,通過障害によると考えられる嘔吐を繰り返したための治療失敗を考え,metronidazole膣錠250 mg 1日3回の経直腸投与を行ったところ,患者は計10日の直腸内投与で軽快した。
 今回の症例より,経口投与不能なC. difficile関連下痢症の治療において,metronidazole膣錠の経直腸投与が有効であることが示唆された。

Key word

Clostridium difficile-associated disease, metronidazole

別刷請求先

神奈川県横浜市磯子区滝頭1-2-1

受付日

平成20年11月25日

受理日

平成21年12月28日

日化療会誌 58 (2): 125-127, 2010