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書誌情報

Vol.59 No.S-1 May 2011

原著・臨床

Levofloxacin注射剤の呼吸器感染症患者における安全性成績

堀 誠治1), 河野 茂2)

1)東京慈恵会医科大学薬理学講座
(現 同 大学感染制御部)
2)長崎大学病院

要旨

 Levofloxacin(LVFX)注射剤の安全性プロファイルを明らかにするため,日本人呼吸器感染症患者を対象とした2つの臨床試験成績(342例)を併合し,評価した。さらに,併合した成績より得られたLVFX注射剤の安全性プロファイルを,すでに報告されているLVFX経口剤の呼吸器感染症患者を対象にした臨床試験成績(152例)と比較した。
 注射剤での有害事象および副作用発現率は,72.8%(249/342例)および48.0%(164/342例)であった。注射剤で5%以上に認められた副作用は,注射部位紅斑15.2%(52/342例),ALT増加10.2%(35/342例),AST増加8.5%(29/342例),注射部位そう痒感6.7%(23/342例),下痢5.0%(17/342例),γ-GTP増加5.0%(17/342例)であった。
 有害事象および副作用発現率を経口剤と比較すると,いずれも注射剤で高い傾向であったが,注射剤で約2割に認められた注射部位反応を除くと,注射剤の有害事象および副作用発現率は63.2%(216/342例)および33.6%(115/342例)となり,経口剤の59.2%(90/152例)および39.5%(60/152例)と同程度であった。
 経口剤と比較すると,注射剤での特有な副作用として投与経路に起因した事象である注射部位反応が認められたが,その注射部位反応を除くと,LVFX注射剤と経口剤の安全性プロファイルに大きな差はないと考えられた。

Key word

levofloxacin injection, safety profile, respiratory tract infection

別刷請求先

東京都港区西新橋3-25-8

受付日

平成22年11月10日

受理日

平成23年2月15日

日化療会誌 59 (S-1): 46-54, 2011