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書誌情報

Vol.59 No.5 September 2011

市販後調査報告

Garenoxacin錠の使用成績調査

堀 誠治1), 牧 展子2)

1)東京慈恵会医科大学感染制御部
2)富山化学工業株式会社安全性管理部

要旨

 経口キノロン系薬garenoxacin(GRNX,ジェニナック®錠200 mg)の使用成績調査を2008年5月から2010年3月まで実施し,全国1,259施設の医療機関から6,915例の調査票を収集した。安全性解析対象症例6,412例,有効性解析対象症例6,071例について安全性および有効性を検討し,以下の結果を得た。
 1.副作用発現率(臨床検査値異常を含む)は3.45%(221/6,412例)で,主な副作用は,下痢などの胃腸障害が0.87%(56例),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加などの臨床検査値異常が0.72%(46例),発疹などの皮膚および皮下組織障害が0.62%(40例)であった。また,安全性に影響を及ぼすと考えられる要因として,基礎疾患・合併症および医薬品副作用歴が挙げられたが,発現した副作用に特定の傾向はなかった。
 2.重点調査項目に設定した血糖値の異常変動の発現率は1.70%(19/1,116例),心電図異常は2.80%(8/286例),血圧低下は0.59%(11/1,862例)で,色素沈着の発現はなく,問題は認められなかった。
 3.GRNXの有効率は95.8%(5,711/5,964例)であり,すべての適応症で90%を超えていた。また,呼吸器・耳鼻咽喉科領域感染症の主要原因菌であるStreptococcus pneumoniaeHaemophilus influenzaeの消失率はそれぞれ98.5%,100%であった。
 以上の結果から,安全性,有効性ともに特筆すべき問題は認められず,GRNXの有用性が確認できた。

Key word

garenoxacin, postmarketing surveillance, clinical efficacy, safety

別刷請求先

東京都港区西新橋3-25-8

受付日

平成23年6月27日

受理日

平成23年7月9日

日化療会誌 59 (5): 495-511, 2011