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書誌情報

Vol.60 No.3 May 2012

総説

整形外科領域の周術期感染予防

松下 和彦1, 9), 阿部 哲士2, 9), 石井 朝夫3, 9), 梶山 史郎4, 9), 小谷 明弘5, 9), 斉藤 政克6, 9), 正岡 利紀7, 9), 勝呂 徹8, 9)

1)川崎市立多摩病院整形外科
2)帝京大学整形外科
3)東京医科大学茨城医療センター整形外科
4)長崎大学整形外科
5)杏林大学整形外科
6)近畿大学堺病院整形外科
7)東京医科大学整形外科
8)東邦大学整形外科
9)骨・関節術後感染予防ガイドライン策定委員会

要旨

 骨・関節の手術部位感染は抗菌薬が発達した現在においても,なお治療に難渋することが多く,その予防が重要となる。日本整形外科学会では,骨・関節術後感染予防ガイドラインを作成し2006年5月に公開した。抗菌薬の適正使用の章を中心に解説したが,抗菌薬の選択,抗菌薬の1回投与量の基準,抗菌薬の術中追加投与,投与期間,抗MRSA薬を予防的投与に用いることの是非などについて検討あるいは再検討が必要と考えられた。また,日本骨・関節感染症学会の会員を対象に施行したアンケート調査の結果より,抗菌薬の投与期間は以前より明らかに短縮していた。また,ガイドライン公表後の外部評価における全般評価は,全員「推奨する」との評価であった。しかし,作成グループへの整形外科以外の感染症専門医の参加,ガイドラインの公表に先立つ外部審査実施の必要性が示された。今後の課題として,エビデンスの蓄積,ガイドラインの有効性の評価,外部評価の反映,継続的な改訂の4点が挙げられる。

Key word

orthopedic surgery, surgical site infection, prophylaxis

別刷請求先

神奈川県川崎市多摩区宿河原1-30-37

受付日

平成24年1月31日

受理日

平成24年2月6日

日化療会誌 60 (3): 319-326, 2012