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書誌情報

Vol.60 No.4 July 2012

短報

Sitafloxacinの前立腺液中への移行性

守殿 貞夫1), 松井 隆1), 田中 一志2), 荒川 創一2), 藤澤 正人2)

1)神戸赤十字病院泌尿器科
2)神戸大学大学院医学研究科外科系講座腎泌尿器科学分野

要旨

 健康成人男性を対象として,sitafloxacin(STFX,グレースビット®)50 mgあるいは100 mgを空腹時単回経口投与し,前立腺液への移行性を検討した。血清および前立腺液中のSTFX濃度を,投与1,2時間後に測定し,その濃度推移ならびにSTFX血清中濃度に対する前立腺液中濃度比を求めた。
 登録した被験者はSTFXの投与量50 mg,100 mgそれぞれ各6例(合計12例)であった。
 前立腺液中濃度の平均は,STFX 50 mg投与1時間後で0.147±0.190 μg/mL(mean±SD,以下同様),2時間後で0.147±0.126 μg/mLであり,100 mg投与1時間後で0.163±0.188 μg/mL,2時間後で0.347±0.187 μg/mLであった。また,前立腺液/血清中濃度比の平均は,STFX 50 mg投与1時間後で0.287±0.223,2時間後で0.408±0.262であり,100 mg投与1時間後で0.394±0.212,2時間後で0.506±0.181であった。
 安全性に関しては,100 mg投与の1名に治験薬との因果関係が否定できない下痢が発現した。バイタルサイン,臨床検査値については因果関係が否定できない異常変動は認められなかった。
 以上,STFXの前立腺液/血清中濃度比は0.287~0.506であり,他のキノロン系薬と同程度であり,本剤は,キノロン耐性大腸菌に対しても効果を期待できる薬剤であることから,同菌による前立腺針生検後の重篤な急性前立腺炎の予防・治療薬として期待される。

Key word

sitafloxacin, quinolone, pharmacokinetics, prostatic fluid

別刷請求先

兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-3-1

受付日

平成24年3月23日

受理日

平成24年5月1日

日化療会誌 60 (4): 492-495, 2012