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書誌情報

Vol.61 No.1 January 2013

短報

Linezolid投与による血小板減少症に影響を与える因子の検討

石田 茂伸, 前田 佳代, 西尾 千尋, 中井 由佳

社会医療法人 生長会ベルランド総合病院薬剤部

要旨

 Linezolid(LZD)の主な副作用として血小板減少症がある。今回,われわれはLZD投与による血小板減少症に影響を与える因子を検討した。当院入院中にLZDを点滴静注された患者81例を対象とし,レトロスペクティブに調査した。そのうち49名(60.5%)に血小板減少症がみられた。LZDの平均投与期間は16.0±12.3日であり,LZD投与開始時と終了時でplatelet count(PLT)は有意に減少していた(P<0.001,27.2×104±11.5×104 vs. 17.7×104±10.9×104 platelets/μL)。血小板減少症を示した患者と示さなかった患者とでは腎機能に有意な差はみられなかった。また,ロジスティック回帰分析によりLZDによる血小板減少症のリスク因子としてalbumin(Alb)<2.5 g/dL(OR=3.53,95%CI 1.10~11.4;P<0.05)およびLZDの投与期間≧14日(OR=6.33,95%CI 1.99~20.2;P<0.005)が示された。
 本研究の結果,Albおよび投与期間がLZDによる血小板減少症に影響を与える可能性が示唆された。

Key word

linezolid, thrombocytopenia, risk factor

別刷請求先

大阪府堺市中区東山500-3

受付日

平成24年7月12日

受理日

平成24年11月2日

日化療会誌 61 (1): 1-4, 2013