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書誌情報

Vol.61 No.1 January 2013

抗菌薬感受性報告

群馬大学医学部附属病院における酵母真菌の分離状況と薬剤感受性の分析

渡邊 瑠海1), 内田 梓1), 高橋 美紀1), 四方田 幸恵1), 奈良 誠人2), 荻原 貴之2), 徳江 豊2), 村上 正巳1, 2)

1)群馬大学医学部附属病院検査部
2)同 感染制御部

要旨

 群馬大学医学部附属病院で分離された酵母真菌について,2006年から2010年の5年間の分離状況および2010年2月から5月と2011年7月から10月の分離株の薬剤感受性について検討を行った。いずれの年も約50%が呼吸器材料から分離されており,Candida albicansCandida glabrataCandida tropicalisCandida parapsilosisCandida kruseiが上位分離5菌種であった。薬剤感受性においてはfluconazoleはC. tropicalisC. kruseiC. glabrataに耐性株がみられた。Miconazoleはnon-albicans Candida spp. のminimum inhibitory consentration(MIC)が幅広く分布し,voriconazoleはC. kruseiC. glabrataのMICが高い傾向が認められた。ItraconazoleはC. glabrataの91.7%が耐性であった。MicafunginはC. tropicalisにMICが>16 μg/mLと耐性を示す株がみられ,flucytosineはC. kruseiの80.0%が耐性であった。菌種により多様なMICの分布を示したことから,菌種の同定と抗真菌薬感受性測定結果に基づいた抗真菌薬の使用が望まれる。

Key word

yeast-like fungi, drug susceptibility

別刷請求先

群馬県前橋市昭和町3-39-15

受付日

平成24年8月31日

受理日

平成24年11月20日

日化療会誌 61 (1): 5-9, 2013