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書誌情報

Vol.61 No.3 May 2013

短報

製薬会社を対象とした抗菌薬皮内反応に関する実態調査

堀 誠治1), 山川 佳洋2), 前澤 佳代子2), 寺島 朝子2), 吉田 正樹1), 木津 純子2)

1)東京慈恵会医科大学感染制御部
2)慶應義塾大学薬学部実務薬学講座

要旨

 2003年には,注射用抗菌薬によるアナフィラキシーを予知するための皮内反応は有用性に乏しく中止の提言がなされている。しかし,現在まで皮内反応用液が供給されてきた。今回は,注射用抗菌薬皮内反応液を製造している企業38社に対してアンケート調査を行い,その実態と問題点を検討した。32社より回答が得られた(回収率91%)。皮内反応液の製造されている製剤数は2009年では93製剤であったが,その出荷量は163万個に減少した。皮内反応液を製造している理由としては,“医療施設の要求があるから”が,回答のあった29社中28社を占めていた。抗菌薬のアレルギー反応を予知するための方法に関する企業への問い合わせでは,検査用液の調製法,プリックテストの方法,関連学会・厚生労働省などからの情報に関する問い合わせが多いことが明らかとなった。以上から,アナフィラキシーを予知する目的の皮内反応を中止し,医療現場で抗菌薬療法を円滑に進めるには,医療現場と製薬企業の情報の共有と実践が重要であることが示唆された。

Key word

drug allergy, intracutaneous reaction test, questionnaire survey

別刷請求先

東京都港区西新橋3-25-8

受付日

平成23年9月5日

受理日

平成25年4月1日

日化療会誌 61 (3): 297-300, 2013