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書誌情報

Vol.63 No.6 November 2015

原著・臨床

血液培養陽性例に対する薬剤師の早期介入体制の構築とその効果

佐村 優1), 國島 広之3), 倉田 武徳1), 廣瀬 直樹1), 石井 淳一1), 腰岡 桜1), 南雲 史雄1), 山本 隼也1), 國香 則文2), 関根 寿一1)

1)医療法人社団 緑成会横浜総合病院薬剤科
2)同 内科
3)聖マリアンナ医科大学内科学総合診療内科

要旨

 近年,医療施設における抗菌薬適正使用の推進のなかで,薬剤師のさらなる貢献が期待されている。当院では2012年度から血液培養陽性例の中間報告を薬剤科でも把握する体制を構築し,血液培養結果前も含めた重症感染症,血液培養陽性例の早期介入を試みたため,今回その効果を検証した。2012年4月から2013年11月に血液培養陽性となった当院入院患者を,初期治療から薬剤師が介入した群(初期治療介入群),初期治療に薬剤師が未介入の群(初期治療未介入群)に分類し,対象患者における適正抗菌薬の使用率を主要評価項目とし,Kaplan-Meier法による適正抗菌薬使用の累積達成率を算出して,初期治療薬に対する薬剤師の介入効果を検討した。その結果,初期治療介入群における累積達成率は1日目に82.1%,2日目に85.7%,4日目に96.4%,初期治療未介入群では,1日目に47.2%,2日目に50.0%,3日目に77.8%,4日目に86.1%であり,初期治療介入群のほうが有意に高かった(p=0.03)。また,初期治療の選択薬の適正性から,適正抗菌薬使用群,非適正抗菌薬使用群に分類し,院内感染症の有無,広域抗菌薬による治療歴の有無,薬剤師介入の有無を独立変数,適正抗菌薬使用を従属変数として多変量解析を行った結果,広域抗菌薬による治療歴を有した場合の補正オッズ比が0.06(0.01~0.35:95%信頼区間),薬剤師が介入した場合の補正オッズ比が7.4(1.67~32.89:95%信頼区間)であった。今回の検討結果から,菌血症に対して薬剤師が初期治療から介入することは,早期に適正な抗菌薬の選択に繋がることが示唆された。

Key word

bacteremia, antimicrobial agents, appropriate use

別刷請求先

神奈川県横浜市青葉区鉄町2201-5

受付日

平成26年12月22日

受理日

平成27年9月1日

日化療会誌 63 (6): 544-552, 2015